以前、行政書士が、売上を獲得するためにする「営業」行為は2つに分けられる。
というお話をし、その中の1つ目「アナログ営業」について書きました。
アナログ営業もウェブ営業と同じくとても重要な営業方法です。その有効な方法を詳細に解説しました。そちらもご覧になってください。→ 行政書士におすすめ『異業種交流会』を使ったアナログ営業のコツと注意点
今回は2つ目である「ウェブ営業」について、私の経験を交えて解説していきたいと思います。
ウェブ営業とは?
みなさんは「ウェブ営業」と聞いて、どういうことを思い浮かべますか?
私が「アナログ営業」しか知らなかった時代に、「ウェブ営業」と聞いて思ったことは、
ブログをひたすら書くのか?
ホームページを作れば良いのか?
You Tubeに動画を投稿するのか?
などと思っていました。結果的に言えばどれも正解なのですが、抽象的なことを言っても、このブログのタイトルである「再現性の有る」にはなりませんので、明確にお伝えしていこうと思います。
と、その前に、行政書士が売上を上げるために大事な考え方をお伝えする必要がありますので書いておきます。
ウェブ営業を開始する前の大事な準備と考え方
開業前から私は、どうやってお仕事を獲得していくか考えていました。
前回の記事行政書士におすすめ『異業種交流会』を使ったアナログ営業のコツと注意点にも書きましたとおり、顔写真付きの名刺を作成し、交流会に頻繁に参加し、町内会の集まりにも積極的に参加し、顔を売りアピールしたりしました。
しかしそれはアナログ営業です。私は、それとは別にウェブ営業も学んで実践していました。
そこで得た重要な考え方を2つ挙げます。
① 投資をする
これは、FXや株をしなさいということではなく、行政書士事務所を運営し、お仕事を獲得するための知識やモノにお金を投じてください。という意味です。
以下、私が開業当時投資したものです。
・ 事務所
・ 複合機
・ 机や椅子
・ ホームページ作成(3サイト)
・ コンサルタント
細かなものを除けばこんな感じです。
上から3つは当然誰しも準備します。ご自宅で開業される方は、既にあるもので代用可能ですので余計な費用はかかりません。スモールスタートはとても重要なことだと思います。
行政書士は、行政書士会に登録料として、地域によって差はあれど数十万円の費用がかかりますので初期投資は極力抑えたいもの。しかし、だからといって売上を上げるために絶対に必要なポイントに投資せずに待っていても絶対に食えません。断言できます。
皆さんは開業前にいくら自己資金を準備されましたか?もしくはされますか?
私は開業当時500万円ほど準備しました。必死に貯めました。父と一緒にやっていた商売が朝から夜まで。そのまま21時から1時まで大型重機を積んだトレーラーを、埠頭まで自家用車で誘導するアルバイトをして、2時から5時位まで朝刊を配っていました。
野球で足を骨折しても1日も休みませんでした。昼間の仕事で重いものが降ってきて、肋骨を骨折しても1日も休みませんでした(笑)
いや、ごめんなさい、そんな話はどうでも良いのですが、要するに、数ヶ月分の運転資金と、売上を上げるために投じる資金を準備しておきました。
金額は人それぞれですので、自己資金がいくらであってもやれることはありますし、方法もあります。
しかし、最低でも数ヶ月分の運転資金と、ホームページ作成費用、それから次回お話するネット広告費用などは準備しておく必要があります。
よく「開業1年~2年はほとんど仕事がなくてアルバイトして食っていました。」という先生のお話をお聞きしますが、もったいないなぁと思います。もっと早く適切な情報を、お金を払って取りに行き、さっさと実践してしまえば、初年度から売上が十分上がったのに・・・。と。
考えてみてください。行政書士は全国に4万人以上います。毎年増減はあれどだいたい4,000人以上の方が合格されます。
その中で「開業したばかりで実績がないあなたでも良いのでお願いします。ベテラン行政書士と同じ報酬額をお支払いします。」という方はいないと思います。
では、実績もない、コネクションもない、人脈もない新米行政書士がどうやってお仕事を獲得していくのか。それは↓です。
・ ホームページ
これはこれだけで次回の記事に書こうと思います。とても重要。といいますか、これ無しでしっかり売上を上げている先生を私は知りません。
もちろんいらっしゃると思います。キャリアが長く、地元に根ざしてらっしゃる大先輩などは可能性があります。しかし、あなたが新米行政書士だとして、強力なコネクションがある。というのでなければ、必須中の必須です。
誤解を恐れず言えば、事務所や机や椅子より大事だと私は思っています。
ウェブ営業の主役。それはこのホームページなのです。稼げるホームページに作り上げる方法に関して、以下の記事に詳しく書いてあります。参考になさってください。 → 『士業』のためのホームページ作成の4つのポイント!行政書士が解説
・コンサルタント
これはピンからキリまでいらっしゃいますが、中には安価で非常に有益なコンサルをしてくれる方が存在します。
ただ、私がコンサルティングをお願いしたのは、とにかく早く軌道に乗せたかったからで、必須ではありません。
② 実務を学ぶ
当然ですし、①にも関わってきます。行政書士というお仕事は、行政書士会に登録してから、勝手に実務を教えてくれる環境は皆無です。当然、行政書士会は頻繁に講習会を開催してくれています。
しかし、お仕事を一度もしたことがない場合、イメージが沸かず、頭に入らないと思います。
ではどうすればよいのか。
私がとった行動は、仲の良い先輩行政書士に同行をさせていただきました。色々な業務の場に同行させていただきました。
「そんな先輩いないよ~。」
という方いますよね、どうでしょう、行政書士試験の受験生時代、予備校に通っていたか、通信制で受講されてらっしゃいませんでしたか?そういう予備校では歴代の卒業生をたくさん抱えており、定期的に集まる会を主催しています。そこに参加して、ご自身の開業場所に近い先生との人脈を形成したり、場合によっては予備校に紹介をお願いしても良いと思います。同じ予備校出身という共通項が、良い結果を生んでくれるはずです。
「いやいや、独学だから予備校行っていないよ。」
それでは、行政書士会のホームページに全国の行政書士がズラッと掲載されています。その中で、地域や開業年などがわかります。お好きな先生をピックアップして、ネットでその先生のホームページを見つけ、お手紙、メール、電話にてお願いしてみてください。先輩方も少なからず諸先輩方にお世話になってきております。それほど嫌がらずに快諾してくれると思います。
当然お断りされる先生もいらっしゃると思いますが、そこは自分のためです。快諾してくれる先生に当たるまで努力しましょう。
そうやって同行を経て色々な現場を体験します。
とは言え、経験のない業務なので、何をやっているのかすらわからなかったり、先輩行政書士も良く教えてくれない場合もあります。
実は、新米行政書士にとって、最も効率よく実務が身につく方法があります。それは、
「自分で仕事を受任して、先輩に教えてもらうこと」
です。
自分の仕事なので、責任が伴います。絶対にしっかり業務を完遂させなければなりませんので、先輩に指南を受けるにも、集中力が違います。段違いで身になります。
では、その肝心な自分の仕事を獲得する方法ですが、当然ホームページを用意し、ネット広告を出稿して獲得します。
ホームページ作成には数ヶ月かかる場合が多いので、開業前から準備してくと良いですね。また、実際に広告をクリックしてあなたのホームページからお問い合わせの電話が鳴った際の応対の練習も不可欠です。
問い合わせからの受任率は、あなたが普通に応対でき、そのお客様がすぐにお仕事を受任できる状態であれば、高確率で受任に至ると思います。しかし、応対が横柄だったり、お客様の問に明確に回答できなかったりすると、受任に至らない可能性も出てきます。
そこは気合で努力だと思います。
また、①にも関わる部分ですが、やっとご自身のお仕事を受任でき、先輩にお仕事を教えてもらおう!となった際、ご自身と先輩とで、売上をどう分けるか。が問題です。
これは人によります。あなたが3で先輩が7なのか、0:10なのか、5:5なのか。それはケースバイケースです。
私の場合は、教える立場であれば折半で受けています。教えていただく場合は聞いています。
「先生はいつもどのくらいの割合で教えてらっしゃいますか?(共同受任してらっしゃいますか?)」と。
その割合がいくらであろうと教わる立場であり、その業務を自分のものにできるのですから、最悪0円でも良いと思っています。しかしその代わり鬼のように質問し、その先生のご経験と知識を全て搾り取るくらいの意気込みで臨みます。
以上このように、行政書士の「ウェブ営業」というと、基本的には
① ホームページを作成する
② ネット広告を出稿する。
です。至ってシンプル。
今回は、ウェブ営業とはどういうことなのか。という内容でお伝えし、その上でとても大事な考え方も書きました。
次回はその詳細の部分を書きます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。